テレワーク導入に頭を悩ませている管理職の方へ
おすすめの本5冊を選んでみました。/後編

雑記ライターとして書評を書くことが多い筆者が、テレワーク導入に頭を悩ませている管理職の方向けに選んだおすすめの本5冊。
前編では、テレワーク全般について学べる本、法的なアプローチや、オンライン上のチーム作りに言及した本を紹介しました。
ここでは情報セキュリティにくわしい本、テレワークでのモチベーションアップに役立ちそうな本をピックアップします!

 Q&A形式でわかりやすい!労務・法務・情報セキュリティを網羅

『Q&Aでわかる テレワークの労務・法務・情報セキュリティ』 発行:技術評論社 著者:足立 昌聰 価格:1,958円

労務・法務・情報セキュリティと、3つの分野を専門的に扱った一冊。Q&A形式で、読み手のギモンにあわせて解説されています。発売から2ヶ月にして、すでに3刷! 正真正銘の人気本です。

全体の編集にあたっているのは、LINE株式会社のセキュリティ&プライバシーカウンセルなどを務める弁護士。IT関連にはかなり詳しいのではと、情報セキュリティに注目して読んでみました。

 

ギモンに対する答えが明確。Q&Aのよさですね!

急がば回れ。まずはBCPの検討を

本書によると、早急が求められる今だからこそ、情報セキュリティ対策は念入りに計画したほうがいいのだとか。

まずは、BCP(事業継続計画)の検討を。会社の事業を継続する上で影響度の高い分野を固めることで、すぐに対処しなければならない情報セキュリティは何かを導き出します。

BCPがまだない場合、この機会に作成するのが、著者のおすすめ。ただし、BCPは完璧に追い求めると時間がかかるため、あくまで“自社として”の優先順位を決め、走り出してから継続的に見直していことがポイントだそう。

BCP策定の際に役立つ、内閣府が発行するBCPガイドライン(事業継続ガイドライン)の解説もあり、とても的確で参考になります。

人に知ってもらわないと意味がない

情報セキュリティの担当者のなかには、体制を整えるときの人間関係が苦手…という人も。そんなタイプには、すべての社員にアプロ一チするよりも、各部署で広告塔となってくれるようなリーダーを味方につけておくとスムーズ、と著者がアドバイスしています。

その際は、情報を分かりやすく発信する気持ちも大切。社員の中にはITリテラシーがあまり高くない人も当然いますし、情報セキュリティというと大概むずかしくて、社員にとっては“面倒”なこと。だからこそ権威的にはならず、何かあったときの具体的なトラブル例を話すなど、人にわかる方法で伝えるのがコツだとか。

いい例として、NISC(内閣サイバーセキュリティセンター)が紹介されています。NISCによる「ポケモントレーナーのみんなにおねがい♪」(※1)という注意喚起を見たことがある人もいるのでは? どんなに大切な情報セキュリティでも、人に伝われなければ意味がないですよね。相手の顔が見えないオンラインだからこそ、大切なことかもしれません。
※1 ポケモントレーナーのみんなにおねがい♪

他にも、個人情報保護や知的財産、ハンコ文化をなくすためのアドバイスなどを幅広く紹介。ちょっと難しいな…と思うような情報も、Q&Aになっていることで、自分事として捉えられるのがいいところ。

ちなみに、「はじめに」に書かれている「テレワークの身でありながら執筆時間の確保に協力してくれた妻に感謝」という言葉には、個人的にグッときました。実直な著者の人柄が随所で感じられるのも、本書の魅力だと思います。

Q&Aでわかる テレワークの労務・法務・情報セキュリティ (日本語) 単行本

テレワークの理解、足りていますか? うまくいく働き方を達人が伝授

『リモートワークの達人』 発行:ハヤカワ文庫 著者:ジェイソン・フリード&ディヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン 価格:文庫本 800円、Kindle版 792円

上司が乗り気ではないことが理由で、テレワークを導入できない会社も少なくないのでは? 本書は、いまいち腰が重い上司や経営者の机にこっそりと置いておき、読んでもらいたい一冊。(実際むずかしいと思いますが…)

著者は、世界的に著名なソフトウェア開発会社「ベースキャンプ」の創業者・CEOであるジェイソン・フリード。1999年から創業以来20年にわたってリモートワークで業績を上げています。

内容は、「リモートワークの誤解を解く」「リモートワークの落とし穴」「リモート時代の人材採用」など。こんな風に、いかにもアメリカっぽいイラストが入っています。

テレワークで評価される人、評価されない人

テレワークに向いた仕事はよく語られますが、テレワークに「向いている人」はどんな人でしょうか。

おしゃべりや態度など、仕事以外の評価が成果につながりやすいオフィスに対して、テレワークでは仕事自体の成果が一目瞭然。口先ばかりで仕事をしない人、遅刻や欠勤はないけど積極的ではない人は、逃げ場がなくなります。代わりに評価されるのは、仕事の成果がすばらしい人や、仕事を最後までやり遂げる人。

「謙虚で仕事ができるタイプの人は、もう悔しい思いをしなくて済むようになる」と著者は語ります。

かといって、テレワークでもコミュニケーションは当然大切。オフィス以上に求められます。たとえ仕事ができても利己的で口の悪い人は、チームの雰囲気を悪くして業績ダウンにつながってしまうかも。また、オンライン上は文章でのやりとりが増えることから、文章力もある人も有利だと紹介されています。

モチベーションを高めたいときに必読

テレワークに踏み出す勇気がない上司には、本書で語られている通り、「多くの会社は税理士を外部の人間に任せている」「社内でもヘッドフォンで外界を遮断している社員がいる」と、じつは昔からリモートだった会社の状況を説明し、ハードルを下げてみるのも効果的かもしれません。

とにかく、意外な言葉にハッとさせられることが多々。20年超えの達人にしてみれば、私たちのテレワークへの理解はまだまだ足りないようです。

ノリのいい同僚が語りかけてくるような会話調で、エッセイのように読める一冊。Kindle版でもサクッと読めます。テレワーク導入がうまくいかず、モチベーションを高めたいときにも、心強いバイブルとなりそうです。

リモートワークの達人 (ハヤカワ文庫NF) Kindle版

▼前編はこちら


◇文/麻布たぬ
映画や声優の雑誌編集を経て、フリーライターに。得意分野はエンタメと子育てですが、育児をきっかけに社会への興味が増して守備範囲が拡大中。最近「海の近くに住みたいんだった」と思い立ち、現在は鎌倉市在住。カメラマンの夫、やんちゃ息子と3人暮らし。読む方の「知りたい」を言葉にして、読みやすく伝えることを心がけています。

いかがでしたか?
偏りがちなネットの情報とはまた違った信頼できる情報を手に入れて、テレワーク導入の悩みを解消できるといいですね。

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